ごだいぶろぐ 絶対大丈夫じゃないSEのぼやき

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【天気の子 感想】雨という単なる天候を芸術にまで昇華させてくれた新海誠という男

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こんにちは。ごだいです。

 

 

気が付けば8月の下の旬。

 

 

もはや何をしていたか覚えていないほど、私の夏休み2019は電光石火の如く終了してしまいました。確か実家に帰省した気がする。

 

 

そして久々に出勤したら会話の頭に「あ…」「う…」とついてしまう始末。赤ちゃんかな?

 

 

とりあえず来週まではちゃんと脳を仕事モードに戻したいです(大嘘)

 

 

さてさて、そんな休みボケ全開なあたくしですが、先日話題の映画「天気の子」を観てきました。

 

 

公開から既に1ヶ月経過しているものの、渋谷のTOHOシネマズでは満席。

 

 

大ヒットで世間を賑わせた「君の名は」が記憶に新しいところですが、今回の作品も当該作品に勝るとも劣らないクオリティであるという情報は、嫌でも耳に入ってきておりました。

 

 

ネタバレが怖くてTwitterではミュートにしていましたが…

 

 

ということで今回は、「天気の子」の簡単な感想を綴ってみます。ネタバレしちゃいますので、未視聴の方はご注意下さいませ。

全体的なあらすじとその感想

連日降りやまない記録的な大雨に襲われる東京。

 

 

もはや雨が降り続けることが日常と化した街で、その天候をコントロールできる不思議な力を持つ1人の少女のお話。

 

 

少女はひょんなことから力を授かり、軽い気持ちで力を多用してしまうものの、

 

 

後にその力の利用には大きな代償を払わなくてはいけないことが発覚し、

 

 

そんな少女を主人公の少年が助けるーーという実にシンプルかつ王道なストーリーでした。

 

 

私はこれを観て、「分かりやすいエウレカセブン」という印象を受けました。笑

 

 

自分の好きな女の子1人の命と、その他大勢の命(というか天候そのもの)を天秤にかけるとか、

 

 

手垢が付いた演出とは言えかなりアツい展開。私は大好きです。

 

 

いや、ホントにこの作品は「分かりやすい」の一言に尽きる。

 

 

ストーリーの軸としては前述した通りで、「男の子が好きになった女の子を助ける」本当にこれだけなんです。

 

 

ただ、このものすごーーーくシンプルで分かりやすい王道なストーリーに、新海監督お得意の雨を用いた幻想的な東京の見せ方だったり、

 

 

主人公の東京での家&仕事探し・出会いという冒険のワクワク感だったり、

 

 

次第に明らかになっていく小栗旬の家庭事情や旧作品のキャラクターの登場等、

 

 

魅力的な成分が次々に付加されていくのですよ。

 

 

特に雨のシーンは本当に見惚れました。

 

 

東京のビル群を覆う仄暗い大きな雨雲

霧でぼやける夜景

雨の滴を弾くコンクリート

 

 

「東京の雨」という超絶ウザったいシチュエーションを、俯瞰してあそこまで幻想的に美しく魅せることができるというのは、さすがの一言です。

 

 

僕ら視聴者は半ば思考停止して、背景となるストーリーのあれこれをあまり意識せずに作品の世界観に没頭できるというのが、

 

 

この作品が評価される要因の1つなのかなあと思いました。

 

 

続いてはキャラクターごとに焦点を当てた感想です。

 

ヒロイズム×危うさを持ち合わせた王道主人公

今作の主人公は、地元での暮らしが息苦しいという一心で東京まで家出してきたアクティブな高校1年生・森嶋 帆高(もりしま ほだか)君でございます。

 

 

問題は家族なのか、学校なのかーーその理由は深堀されることなく、彼の逃走劇&東京での宿探しから物語は始まりました。

 

 

そのあまりに無計画な行動から、ティーンエイジャー独特の未来への不安、思考・視野の狭さがよく描かれていたと思います。

 

 

だって住むとこも働き先も決まってないのにとりあえず東京行ったろ!ですからね。その勢いたるや、劇中常にアクセルを緩めることはありませんでした。

 

 

そしてひょんなことで東京の某新宿で拳銃を入手するのですが、「お守り」という謎の免罪符ワードを掲げて何故か最後まで手放しません。

 

 

挙句の果てに、2発も発砲。

 

 

え、これ何の映画?

 

 

10代は感情に身を任せるとこんなこともしちゃうんだよ!なのか、

 

 

はたまた某歌舞伎町で昨今頻発する銃撃沙汰の社会風刺なのか、

 

 

私がこの作品において唯一感じた「この設定いるー?」の描写でした。

 

 

でも銃が絡まないとラストシーンとかも緊迫感が出なかったのかなあ。

 

 

ということでその身一つ(拳銃所持)でヒロインの陽菜ちゃんを最後まで守ってくれました。

 

 

陽菜ちゃんの「晴れ女」の能力をビジネス化する等商才も光らせており、

 

 

未成年だけでラブなホテルに行き、警察に銃口を向ける等の暴走っぷりから察するに、

 

 

今作品の中では最も闇側に近い人間だったのかもしれません。

 

 

ただ、彼の時に過剰な行動も、陽菜ちゃんを守るというシンプルな想いからきているものなので、

 

 

非行まがいのことでも不快感は一切なく、むしろ応援したくなるような清々しさがありました。

 

天候を操る今作のヒロイン

今作のヒロイン・天野 陽菜(あまの ひな)さんでございます。

 

 

範囲が限定されるものの、一たびその両の手を合わせて祈れば雨雲を晴らすことができるという能力が宿ってしまった女の子です。

 

 

序盤は恋人・ヒロインと言うよりかは、帆高くんを引っ張る18歳のお姉ちゃんキャラでした。

 

 

じゅ、18歳・・・?

 

 

見た目の幼さに反したその年齢。

 

 

疑問に感じた視聴者の感は的中、実は働き口を確保するために、年齢を詐称していた15歳の中学生だったことが発覚するわけですが、

 

 

帆高くん気づかんかったのかい!

 

 

生活力の高さや年上まがいの言動からすっかり騙されてしまいましたね。

 

 

自分が人柱の存在と知り、体にも異変をきたしていることをカミングアウトするシーンが印象的でした。

 

 

自分の存在がこの世から消えるとか怖くて怖くて仕方なかったろうに。ここもちょっとエウレカ風味を感じたところではあります。

 

 

ちょい悪と見せかけてとても情熱的なおじさん

帆高くんの命の恩人、後の雇い主の須賀 圭介(スガ ケイスケ)。小栗旬。

 

 

この作品の中で私が1番好きなキャラクターです。

 

 

ひょうひょうとした態度とは裏腹に、実は今作品で一番人間臭く、情熱を持っていた人なのではないかなーと思いました。

 

 

娘さんのこともあってあれほど固く禁煙を誓っておきながら、帆高くんを事務所から追い出した後にはあっさりと喫煙してしまったり、仕事ぶりもテキトーに見える彼ですが、

 

 

それでも帆高くんを最後まで自分の家族として扱ってくれた人物の1人でもあります。

 

 

本格的に警察に追われてからは別ですが、家出の身元不明の子供を受け入れた訳ですからね。

 

 

同じく東京に飛び出して来た過去の自分と重ねたとは言え、かなり面倒見の良い兄貴分でした。エピローグでは雨(穂高くんが拾ってきた猫)の面倒もみてくれています。

 

 

帆高に触ってんじゃねえ!と警官をぶん殴るシーンは、「あーやっちまったなー」と思う反面、今作品で最初から最後まで帆高くんを支えてくれる人がいて良かった…と胸が熱くなりました。

 

君の想像通りだよ!

夏美(なつみ)さん。やたら帆高くんに自分の胸を見せたがるJDお姉さん。すごく良いと思う。

 

 

彼女についてはシナリオ上特筆することはないのですが(ないのかよ)、声優さんが上手でした。

 

 

大正義・本田翼様です。

 

 

公開前でこそ一部のシーン「君のそーぞーどおりダヨ」が抜き取られ、やれ棒読みだやれ声優使えと騒がれておりましたが、

 

 

シナリオが進むにつれて全く気にならなくなるほど、夏美というキャラクターにフィットしていきました。

 

 

 

うん、本当に違和感ないです。

 

 

キャラクターとしても、慣れない都会の環境と人間に困惑する帆高くんのクッションになってくれており、

 

 

ピンチの時にはいつも助けてくれる、そんなお姉さんキャラとして君臨し続けました。就活がんばってください。

 

最後に

ということで天気の子の感想でした。

 

 

冒頭でも述べた様に、実にシンプルな構成で頭を使わず見れた分、キャラクターの感情移入に没頭できました。

 

 

「君の名は」の様にほろっとする作品ではないかと思いますが、「人との繋がり」という点においてはこちらの方が強く描写されていた印象があり、

 

 

個人的には「君の名は」よりヒットした作品でした。ブルーレイディスク買おうかなあ…