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【映画感想】竜とそばかすの姫 他人を助けることに理屈や理由は必要ない(工藤新一)

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撮影:新宿バルト9付近にて

 

こんにちは。ごだいです。

 

梅雨も明けて夏まっさかりシーズンに突入してしまいましたね。

 

ご覧の通りの青空。夏です。夏。

 

一歩でも外に出ればその熱線で溶けてしまいそうなほど今年も暑いのですが、本日はどうしても観たい映画があって外出しました。

 

「時をかける少女」や「サマーウォーズ」で有名な細田守監督の最新作、竜とそばかすの姫でございます。

 

思い出はいつも綺麗だけどと口ずさみたくなる様なタイトルですが、残念ながら明治時代の人斬りのお話ではございません。

 

ええ、この前の金曜ロードショーで「サマーウォーズ」を観てしまいましてね。

 

ええ、広報活動大成功ですよスタッフさん。

 

人混みと高い気温の時間帯を回避しようと朝8時上映の部に行ったのですが、

 

ばっちり混んでてばっちりあちかったです。

 

ということで久々の映画の感想でございます。

 

以下、ネタバレしちゃいますので未視聴の方はご注意下さいませ。

 

 

ざっくりとした感想

・圧倒的『美女と野獣』

・もう少し現実世界パートが見たいかも

・竜の正体絶対お父さんやろ←全然違った

・あんなに動きながらサックス吹けるルカちゃんやべえ

・カミシンのルパン感

・ジャスティンとかいう綺麗なガストン

・やっぱりただのガストンじゃねーか

・あ、ダメだこれ泣くわ

・この総力戦感こそ細田守

・鈴ちゃんの優しさに合掌

 

想像以上に社会派映画

ひょんなことから仮想世界で一躍有名人になった、そばかすがチャームポイントの女子高生「鈴(すず)」と、乱暴ながらその仮想世界で圧倒的な強さを誇る謎のアカウント「竜(りゅう)」の物語。

 

幼い頃に母を亡くしたことで塞ぎ込み、大好きな歌を人前で歌えなくなってしまった鈴ちゃん。

 

目立ちたがり屋でもなく、他人と関わるのも苦手な様な彼女が、持ち前の声の美しさという個人の強みによって仮想世界で大ブレイクするという流れは、

 

個人が自分の作品をネットにアップロードしてバズる様な、まさに現代ならではのサクセスストーリーでした。

 

今やTwitterやTikTok等のSNSでアーティストやクリエイターが発掘される時代ですもんね。

 

そしてそれに付随して描かれるインターネットの闇、仮想世界上での誹謗中傷、妬み、いじめ等も色濃く描写されておりました

 

少なからず鈴ちゃんもこの被害にあってしまい、彼女自身も動揺するシーンがあるのですが、その辺りは観ていてなかなかしんどかったです。

 

インターネットが普及したことによって人と人とのあらゆる距離が一気に縮まったこの現代社会ですが、

 

有名人や成功者に対して心ない言葉を投げつけたり、足を引っ張ったりする問題は、昨今では人命を脅かすものにまでなりました。

 

その現代社会ならではの問題も、この映画では良く言えば精巧に、悪く言えば皮肉めいてしっかり描かれていたと思います。

 

想像以上に社会派映画でした。

 

他人を助けることに理屈や理由は必要ない

序盤に鈴ちゃんのお母さんが、他人の子供を助けるために増水した川に飛び込んでいくシーンがありました。

 

この一件で鈴ちゃんのお母さんは小さい我が子を残して亡くなってしまうのですが、

 

正直私は無責任な親だなあと思いました。

 

自分の命を投げうってでも他人を助けようとするとはなんと素晴らしい!なんて微塵も感じませんでした。


自分の身に何か起きたら残された家族はどうなってしまうのか、そんな考えはなかったのかと怒りすら覚えました。

 

鈴ちゃんもこの母の行動に対し、「何故そんなことをしたのか」という自問自答をしている描写があり、長年彼女の心を苦しめていた様でした。

 

何故そんなことをしたのかーー

 

これは終盤に明らかになりました。

 

というか、鈴ちゃんがその行動の本質を理解したであろうシーンがありました。

 

そのワンシーンで私の涙腺ダムは崩壊しやした。

 

現実世界での虐待と仮想世界での糾弾に苦しんでいる竜のために、鈴ちゃんは自分の身を投げうってでも彼を助けようとします。

 

人前で歌うことなど到底無理だった過去の自分を乗り越え、

 

ずっと正体を隠してきた人気アカウント「Bell」ではなく、

 

一人の人間「鈴」として、

 

竜を助けるためだけに、

 

数億人の前に正体を晒すということを行動を取りました。

 

この時の鈴ちゃんは、きっと小難しいことなんて考えずに、

 

「誰かを助ける」という一心のみで身体と思考が勝手に動いたのだと、

 

私は解釈しました。

 

そしてそれは彼女の母も同じだったのだと、

 

彼女が歌っているときの母親の姿のフラッシュバックは、

 

そういうものだったという解釈です。

 

残された家族云々の問題を考えると、鈴ちゃんのお母さんの行動はやはり褒められたものではないと思うのですが、

 

それでも、他人を想うとっさの気持ちはそんな理屈めいたものではないよね、

 

とっさに行動してしまうものだよね、

 

という心優しい人柄が描写されていたのかなあと思いました。

 

なんという工藤新一。

 

そしてその心優しさは、娘にもしっかりと引き継がれていたということが、

 

鈴ちゃんが最後に歌ったシーンと、

 

何よりお父さんの口から語られたのが最高にエモいと感じました。

 

私の号泣のピークは、鈴ちゃんがバスで東京に向かっているときのお父さんとのチャットのシーンでした。

 

正直竜の正体は父ちゃんなんじゃないかとも思っていました…笑

 

また、劇中にて「仮想世界では悪いこと絶対許さへんでおじさん」のジャスティンが、

 

この仮想世界では警察的な役割を担う機関が存在しないということを言及しており、

 

その事にも不満を持っているようでしたが、

 

あの仮想世界の管理者は、インターネットの世界においても性善説を信じているのではないかなあと思いました。

 

(じゃあ何故アンベイルするための装置があるんだよという話になるのですが…まああれは抑止力ということで…)

 

まとめ(まとまってない)

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感想記事を書いていたつもりでしたが、文字に起こすと不毛というか、そういうことじゃないんだよなーという感覚に襲われるのですが、

 

とにかく劇場で観てよかったと思える作品でした。

 

個人的には、

竜とそばかすの姫>サマーウォーズ>時をかける少女>おみやげみっつたこみっつ

の順に好きです。

 

世間の評価としてはいかがなものでしょう…