ごだいぶろぐ 絶対大丈夫じゃないSEのぼやき

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【お正月SP】ほえええ!? 久々に再会した小狼君が結構パワー系だったよぉ!!編 第1話

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全てのカードがそろったとき
それは終わりではなく始まり
終わりへの始まり

 

強大な力によって不用意に、そして幾度となく戻された時の針は、その背後の歯車の動きを着実に歪めていた。

 

力学の世界ではごくわずかな条件の変化により、経緯や結果に大きな影響を及ぼす理論が存在するが、

 

それはこの物語にも当てはまる。

 

 

——————————————————

 

 

 

中学生の木之本桜は、初めての春を迎えていた。

 

やや袖が余る制服やはねた寝ぐせを兄に指摘され、朝から軽い小競り合いをしたものの、なんとか予定通りの時間に家を出ることができた。

 

通学路の桜並木は満開を迎えており、咲き誇る花びらたちは心地よい風に揺られ、淡い色が視界の一面を覆う。

 

 

さくら

「入学式のときはまだつぼみだったのに」

「みんなとお花見したいな」

「そして…」

 

 

美しい桜の木々に思いを馳せていると、前方には少年が立っていた。

 

最愛の人、李小狼だ。

 

彼女の物語は、ここからまた始まる。

 

久々に再会した彼は僅かに背が伸びており、その大人びた言葉遣いや立ち振る舞いには少し驚いた。

 

 

小狼

「香港での手続きが終わったんだ。これからはずっと友枝町にいられる。」

 

 

さくら

「ほんとに?」

 

 

ずっといられる。もう電話や手紙だけでがまんしなくていい。

 

最愛の人と一緒にいられる喜びに、さくらの感情は溢れ出した。

 

 

さくら
「これからはずっと一緒だよ!」

 

 

小狼に抱きつくさくら。

 

小狼は照れつつも、離れ離れになっていた恋人との再会を、その温もりに浸った。

 


さくら
「本当に嬉しい…本当に…ずっと一緒にいられるんだよね!」

 

 

小狼
「ああ、ずっと一緒だ」

「家族も親戚も全員、友枝町に引っ越してきたんだ」

 

 

さくら
「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さくら
「……え?」

 
小指辺りにピリッとした痛みが走った。


小狼

「さくらを守る為に、万全な体制で友枝町に住みたいと思ったんだ」

「母上も快諾してくれた」

 

 

さくら

「え、小狼くんのお母さん?」

 

 

告白、プロポーズ、嫁、姑、同居、介護。

 

瞬時に様々なフレーズがさくらの脳内を駆け巡ったが、否、本質はそこにあらず。

 

守る、守るとはなんだろうか。

 

何から?誰から?なぜ?

 


さくら
「ま、守るって…?」

 


小狼

「ああ、そのことなんだが」

「柊沢とも話していたんだが、どうやら今のさくらの魔力は大きくなりすぎていて」

「自分でも制御が難しくなってきているみたいなんだ」

「そして、今後その魔力が暴走する恐れがあるんだ」

 


さくら
「ほええええ!?私暴走しちゃうの!?!?」

 

 

小狼

「稀代の天才魔術師、クロウリードは自分の手で生み出した魔法をカードに収めたが」

「さくらもカードを作れる様になる」

 

 

さくら
「私カード作っちゃうの!?」

 

 

小狼
「ああ、おそらく無意識のうちに作れる」

 

 

さくら
「無意識のうちに!?!?!?」

 


小狼
「ちなみに柊沢もイギリスから呼んできた」

「今後何らかのアクシデントが起こって、近くで柊沢のバックアップを受けられないのは厳しいからな」

「元々住んでいた屋敷に住む段取りだったんだが、直前に別の入居者が入ったみたいだ」

「来週から俺の家の近所のアパート、コーポ友枝に住むらしい」

「築50年のワンルームだが逆にその古びた感じが気にいっているみたいだ」

 

 

さくら
「そ、そうなんだ…」

 

 

まるで言葉の機関銃。

ロジックの雨あられ。

 

絶え間なく溢れ出る彼の言葉の弾丸一つひとつが、さくらの頭をパンク寸前まで陥れた。

 

もはやお花見の「お」の字もない。

 

彼女はこの僅か1分間で、不本意ながら自分の身に起きている異変の一端を把握した。

 

 

さくら

「じゃ、じゃあエリオルくんも友枝中学校に通うのかな?」

 


自らを落ち着かせるため、なんとか冷静に話題に乗ろうとするが、

 


小狼

「いや、あいつの学業やスポーツの成績だと、本来トップにいるべき学生のプライドをへし折ってしまうことを懸念しているらしく」

「悪目立ちしたくないらしい」

「眼鏡をかけているのにあえて低い点を取るのも変だろう」

「とりあえず、今夜辺りにさくらカードの所有権を俺に移そうと思う」

「11時…いや11時10分頃にさくらカードたちが透明になると思う」

「何も心配しなくていい」

 

 

が、ダメ。

 

各駅停車に乗り換えたつもりが、まさかの特急。

 

「常識」という駅を通過する特急列車。

 

 

さくら

「わ、分かった…!とりあえずありがとね、小狼くん」

 

さくら

(小狼くん、たぶん引っ越してきたばかりで疲れちゃったったんだ…)

(うん、きっとそうだよ…!とりあえず帰ったらケロちゃんにも相談してみよう…)

(私の魔力が…暴走…ちょっと怖いな)

 


その夜、彼女は奇妙な夢を見ることになる。

 

辺り一帯が暗闇の中、透明なカードの様なものが浮いている空間に、さくらはいた。

 

徐々に覚醒していく意識の中、前方に視線を向けると、そこにはローブを纏った人物が立っていた。

 

 

さくら
(誰なの…?)

 

 

背丈は自分と同じほどの人物。

 

そのあまりにも浮世離れした格好に戸惑いつつ、さくらは手を伸ばした。

 

次の瞬間、さくらの周りに浮いていた透明なカードたちがガラスの様に次々と割れ始めた。

 

ベッドから飛び起きるさくら。

 

「どないしたんや!」と声を荒げるケルベロスをよそに、勢いよく机の引き出しを開けてカードの状態を確認した。

 

小狼の言う通り、カードはすべて透明になっていた。

 

 

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知世

「まぁ、カードが!!」

 

翌日、友枝中学校の中庭にてこのことに1番のリアクションを示したのは、さくらの親友・大道寺知世だった。

 

さくらとケルベロスは透明になったカードを、登校前に月に見せてその原因を探っていたが、彼にも原因が全く分からないとのことだった。

 

眉間にしわを寄せながら、ケルベロスは小狼に問う。

 

 

ケルベロス
「小僧、どう思う?」

 

 

小狼
「ああ、カードの所有権を俺に移したからだろう」

 

 

即答だった。

 

訪れる静寂。

 

さくら

「あ…昨日のこと本当だったんだ…」

 

 

ははは…と笑いつつも、さくらは困惑の表情が隠せない。

 

 

ケルベロス

「お前こんな大事なこと事前に言いや!」

 


小狼

「すまない、香港での手続きが…」

 


ケルベロス

「なんでもかんでも「香港での手続き」で誤魔化すなや!」

 

 

小狼

「ただ、夢にいた誰かが、無関係とは思えない」

 

 

ケロベロス

「ドヤ顔すんなや腹立つなぁ…」

「どうせこっちも知っとるんやろ!」

 

 

小狼

「いや、本当に分からない(真顔)」

「ただ…」

「これはちょっとした勘なんだが、俺たちの知っている人物ではないだろう」

「例えば、今度急に転校生が来たりしたら、そいつがかなり怪しい」

 


ケロベロス

「何言うてんねん、そんな都合よく転校生が来るわけあるかい!」

 


カリカリするケルベロスを抑えつつ、さくらは落ち着いたらまたゆっくり話を聞かせて欲しいと小狼に伝え、

 

予鈴が鳴る中駆け足で自分の教室に向かった。

 

その横では親友が来たるカードキャプターの復活に期待を寄せ、目を輝かせていた。

 

翌日、イギリスから女の子が転校してくることになるが、

 

それはまた別のお話。

 

 

 

 

(続く。)

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