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タラレバ娘・タラレバ息子のみなさまこんにちは、ごだいです。
世間の女性を阿鼻叫喚の渦に陥れた超話題作『東京タラレバ娘』ですが、この度最終回を迎えました。
各々思うところがあるでしょうが、とりあえず思いのまま感想をつらつらと書いてみます。ネタバレ注意です!
物語のテーマに沿ったラストであったか??
総論としてはYESー年齢に囚われず最後まで自分の芯を貫いてくれた
本作品のテーマは「30代未婚女性が幸せを追い求めて四苦八苦する」でした。
焦点を本作品の主人公・鎌田倫子に絞ります。物語全体を通して見ると、倫子は複数人の男性と交際しながらも、その度に問題に直面して破局していました。
ここで、物語における彼女の恋愛を振り返ってみましょう。
過去に”ダサい”という理由で振った男性・早坂ーー数年後、倫子は男に磨きがかかった彼に惹かれ始めます。しかし、今となっては彼が好意を寄せていたのは倫子の後輩。思いを伝えることもなく、彼女の恋は撃沈しました。
その後、自分の趣味嗜好を理解しスペックも申し分ない理想の男性・奥田が現れるも、趣味に対する熱量の差に違和感を覚え始めます。視聴する映画、髪型の強要に耐えかね、離れることを決意します。
いよいよこれまでかと思ったその時、彼女の前に駆けつけたのは早坂でした。彼から漂う安心感ーー勢い任せに彼と結ばれました。
物語も幕引きかと思いきや、最後に現れたのはいつも険悪だった、しかしながら密かに惹かれていた別の男性・KEY。早坂と同棲するまでの関係を築きながらも、「自分が納得する恋愛」を選択した倫子は、KEYの元へーー
一転二転して、よもや三転四点とめまぐるしく状況が変化する恋愛模様でした。
しかしながら「30代未婚女性は妥協しないと結婚できない」という問題を自ら提起しながらも、それでも妥協しない姿勢を貫きました。
年齢というファクターは関係ない、「鎌田倫子」という女性を最後まで貫きました。
終始身勝手な振る舞いをしている様に見えた彼女でしたが、これらの破茶滅茶な行いは物語のテーマにしっかりと沿っていたもの思えます。
各論としてはNOー目的のすり替え?こんな最後でいいの?
物語の締め方に大いに違和感を覚えました。
先に言ってしまうと「いつからKEYを過去の苦しみから救済する話になってしまったのか」ということです。
序盤でKEYと関係を持ちながらもその後距離が縮まることはなく、むしろ彼に振り回せれていた倫子。
当初は「どうすれば自分は幸せになれるのか」という問題を提起していたにも関わらず、締め方は「あなたを幸せにしたい、自分の幸せなんて今はどうでもいい」でした。
これには少し首をかしげました。
結果的に「それが彼女の幸せ」というニュアンスを匂わせていましたが、あれほど幸せの在りかを自身に置いていたのに、終盤になって急に他者にシフトさせたことが、違和感の正体だと考えます。
どうすれば良かったのでしょうか。
私個人としては、別に早坂さんと結ばれなくてもいいから(同性として非常に非常に気の毒ですが…)「あんたの過去なんて知らない、けれど私はあんたが好きだ」で終わって欲しかったです。
つまり、KEYと結ばれるにしても、「彼を救い出す」という発言をするべきではなかったと思います。
これだけなら、相変わらず好き勝手やってるな〜、早坂さん一択だろ、普通に若いイケメン選ぶだろ、という倫子のいち女性としての行動に賛と否が挙がっても、?は挙がって欲しくありませんでした。
それでもやっぱりタラレバは面白かった
論理的にこの作品について考察したつもりでしたが、やはり早坂さんの一件もあってか一部感情的になってしまいました。
早坂さんは賠償金を請求してもいいレベルなのでは?と個人的に思っています。
とは言えここまで人の感情を揺さぶる作品を作った、というところはさすが東村アキコ先生です。
30代の結婚できない女性に焦点を当てる、という新しい切り口は、既存の恋愛漫画とは一線を画していましたし、なんとなんと読者にまで「〜し”たら”、〜して”れば”良かったのに」と思わせることに成功しています。私もその1人です。
これは本当にすごい…大ヒットしたのも納得です。
好きな作品が終わること、よもや「?」を残して終わったことは非常に残念ですが、
最後の最後まで「東京タラレバ娘」を楽しむことができました。
さらばタラレバ!!!
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